シザーのお手入れ方法と、自分に合うシザーについて

美容師にとってシザーはもっとも大切な商売道具です。カットの腕を磨くことももちろん大切ですが、シザーのお手入れをきちんと行うことも同じくらい重要であると言われています。

また、シザーの寿命は日々のお手入れで大きく変わると言われています。シザーは安いものでも数千円、高いものですと10万円以上するものも珍しくない高級品です。特にしっくりと手に馴染んだシザーはお金には代えがたいものですので、少しでも長持ちさせたいですよね。

シザーのお手入れの頻度

シザーをどれくらいの頻度でお手入れするかは、美容師によりかなり異なります。1日に何人ものカットを行う美容師であれば当然お手入れの頻度も高くなりますし、ほとんどお店でカットをすることがない見習い中の美容師であれば、頻度はやや落ちるでしょう。中には、使用頻度が低いからと何週間もシザーのお手入れをしていない美容師もいるかもしれませんね。

シザーのお手入れは、カットの機会の多少に関わらず、毎日行うことが理想とされています。たとえ人の髪ではなく練習用の人工毛しか切っていなかったとしても、お手入れは必要です。人工毛をカットした際に、シザーの動きを滑らかにする油が徐々に落ちて行ってしまうからです。

シザーのお手入れ方法

シザーのお手入れ方法の基本は、「水洗い」「乾燥」「油落とし」「油さし」です。

まず、熱いお湯を使ってシザー全体の汚れを落としていきます。お湯を使うことで、油分を含む汚れが落ちやすくなります。シザーの交差部分は軟らかいブラシなどを使い、丁寧に洗いましょう。

全体の汚れを落としたら、柔らかい布で水分を拭き取ります。時折ハンドペーパーなどで拭き取りを行う方もいますが、シザーに傷がつくのであまりおすすめできません。

水分を拭き取ったら、セーム革を使って油汚れを落としていきます。シザーには、カットしたお客様の髪の脂などのほか、以前塗った潤滑油などが付着しています。細かいところまで丁寧に拭くようにしましょう。

油を落としたら、シザー専用の油をさし、セーム革で磨きながら馴染ませていきます。交差部分にもしっかり油が行きわたるように馴染ませたら、お手入れは完了です。

お手入れをしていてもシザーが使いにくいと感じる時は

毎日お手入れをしていてもシザーが使いにくい、手に馴染まないと感じる場合、もしかしたらそのシザー自体との相性があまり良くないのかもしれません。自分に合うシザーに巡り合うことも、一流の美容師の条件です。思い切ってシザーの買取を業者に依頼し、自分に合うシザーを買い直すことも1つの方法です。

どれだけカットの技術を磨いたとしても、お手入れ不足のシザーや、自分に合わないシザーでは、その技術が十分に発揮できません。一流の美容師は、自分に合うシザーが見つかるまで、何度もシザーを変え替えることも珍しくないそうです。自分の手によく馴染むシザーを手に入れたら、少しでも長く使えるようしっかりとお手入れをし、大切に使い続けましょう。